企業が抱える製品安全の課題 (日本の製造事業を取り巻く環境の変化)
日本の製造事業を取り巻く環境の変化
日本の製造事業を取り巻く環境は、かつての高度成長期から大きな転換期にあります。
製品安全の視点からすれば、リスクのより高い環境下で日々の活動をやられているのが現状ではないでしょうか。
新聞等マスコミで話題となったキーワードをピックアップしてみました。
1) 日本の製造事業内部の課題
国内バブルの後遺症としてデフレーション、加えて新興国の台頭により、
・ コスト削減の圧力
・ 短期開発
・ 仮想設計
・ 団塊退職(採用見合わせによる中間層の不在)
・ ベンダーの多様化(系列の崩壊)
2) グローバル化の課題
国内バブルや新興国の台頭の背景もあり、グローバル化が加速しており、
・ 現地生産
・ グローカル化
・ 海外流通の拡大(輸入品の増加)
・ 使用環境の多様化 他
これらは製品事故の直接的な原因ではないかもしれません。
しかし、製品安全上の看過できない大きな課題ではないでしょうか。
3) 市場や行政からの課題
一方で、市場での多発する製品事故や不祥事を受けて、次のことが起きています。
・ 法規制の厳格化
・ 安全認識の高まり
・ 製品の長期使用 他
製品安全の観点から、製造事業を取り巻く環境面からの課題やリスクは増大していくことが想定されます。
製造事業が抱える課題・リスク
安全な製品をお届けすることは、製造事業にとり社会的責任です。
抱える課題やリスクに対して、正面から取り組む姿勢が市場から、また社内からも問われているのです。
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